染色補正

京都の染色補正の歴史は古く、江戸時代中頃と考えれています。
当時の京都で、御所に衣裳の御用商人として出入りを許されていた商人は、汚れや傷がないかどうか入念なチェックの後、故障があれば、完全に修復してから納入しておりました。そうした時に必要になった技術が染色補正と呼ばれ受け継がれています。

染色補正は、生地破れ以外の染色トラブルの修正を行います。流通段階や、消費者の手に渡った染織品の修正も含みます。故に、高度な技術と、豊かな知識、経験が必要とされ、極めて高い専門性が求められます。例えるなら、染織品に関する「整形外科医」のようなものです。

染色補正の実際

STEP
色の調合

地色が白っぽくなっている場合、その周辺の色味から地色と近しい色を調合し、色を合わせる必要があります。

友禅染で使われる数種類もの色からそれに近しい色を判断し、作り出していきます。

STEP
色を差し込む

地色を補正する生地に塗布する場合、使用する筆や刷毛は、地直しする面積によって使い分けます。

狭くて、小さい部分の直しには、面相筆など細での筆の先を、あまり広くなく、中程度の面積には、彩色筆などの腹の部分を、広い面積の場合には、丸刷毛の大小を使って、刷毛先で軽く撫でるように染料をつけて直します。

色ハゲの補正

染色補正の具体例(補正例)

着物衿部分の染色補正前
着物衿部分染色補正後

染色補正で、大切なこと

衣料品の色抜けなどのトラブルを、お客様自身の判断で、下手に触ったり直したりしないことです。
なぜなら、下手に手が入っているがために、補正困難になっていたり、黄変していたりといったトラブル事例が非常に多いです。いずれにせよ、染色補正の秘訣は、できるだけ地色を損なわず、生地を傷めずに補正することです。
そのためには、どのような方法が一番美しく、早く治るのかというプロの判断が必要になります。